組織を動かせない人と動かせる人の、たった一つの違い
「正しいのに、なぜ動かないのか」
会社の課題が見えている。このままではまずいという確信もある。自分がやるべきことも分かっている。
それなのに、組織が動かない。経営層には響かない。周囲は分かってくれない。
こういう状況に置かれている事業部長・部長クラスの方と、コーチングの場でよく出会います。
「自分は正しいことを言っているはずなのに、なぜ伝わらないのか」
この問いを抱えたまま、一人で抱え込んでいる方が少なくありません。
「正しさ」だけでは組織は動かない
正しいことを言っているのに伝わらない。この状況で多くの人が陥るのは、「周りが分かっていない」という結論です。
確かに、内容は正しいのかもしれません。課題認識も、方向性も、間違っていないことが多い。
ただ、組織を動かすためには「正しさ」だけでは足りません。
組織の中には、意思決定に関わるキーマンがいます。経営層、他部門の責任者、直属の上司——それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの課題を抱えています。自分の正しさを主張するだけでは、相手の立場や文脈とぶつかり、動きが止まってしまいます。
「なぜ分かってもらえないのか」という問いの答えは、多くの場合「相手には相手の文脈がある」というシンプルな事実にあります。
組織を動かせる人がやっていること
では、同じような立場にいながら、組織を動かせる人は何が違うのでしょうか。
一言で言うと、相手の立場に立って考え、相手を助けるような動き方ができるかどうかです。
「自分がやりたいことを実現する」のではなく、「相手が抱えている課題を自分が解決することで、結果として組織が前に進む」という発想の転換です。
キーマンそれぞれが何を大切にしているか。何に困っているか。何を達成しようとしているか。そこを理解した上で、「あなたの課題解決に、私はこう貢献できます」という働きかけができると、組織は動き始めます。
コーチングで何が起きるか
少し余談になりますが、私自身も同じ経験があります。会社の課題を解決しようと意識が向いた瞬間、解決策にまっしぐらになってしまい、利害関係者の存在が頭から抜けることがある。「なぜ伝わらないのか」と感じた時にはすでに気づいているのですが、動いている最中はなかなか見えない。自分のコーチとのセッションで、そのことに気づかされることが・・・今もあります。
コーチングの場では、この「相手の立場に立つ」プロセスを丁寧に辿ります。
まず、自分が見えている景色を言語化します。何が課題で、何を実現したいのか。ここは多くの方がすでに明確に持っています。
次に、関係するキーマンの立場に立ってもらいます。「経営層の視点から見ると、この課題はどう見えるか」「あの部門長が一番困っていることは何か」——こうした問いに向き合うことで、自分の見えていなかった景色が広がっていきます。
そこで初めて、「相手が喜ぶ提案の仕方」が見えてきます。
実際にコーチングを経たクライアントに起きる変化は、劇的なものではありません。「あの人に話しかけてみた」「自論を押しつけるのをやめた」——そういう小さな行動の変化が起点になります。ただ、その小さな変化が、じわじわと組織を動かし始めます。
「分かってもらえない」と感じた時が、変わるチャンス
「正しいのに伝わらない」という状況は、苦しいものです。ただ、見方を変えると、これは大きなチャンスでもあります。
自分の正しさを疑う必要はありません。ただ、「相手には相手の文脈がある」という視点を一つ加えるだけで、動き方が変わります。
組織を動かせる人と動かせない人の差は、能力や経験の差ではないことが多い。「相手の立場に立てるかどうか」——たったそれだけの差であることが、ほとんどです。
おわりに
会社を良くしたいという思いは、本物です。その思いをエネルギーに変えて、組織を動かしていくためのアプローチを、コーチングを通じて一緒に考えていきます。
「なぜ伝わらないのか」という問いを持っているなら、ぜひ一度話しましょう。
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